フリークアウトさんが上場したので、調べてみた
TOKYORUNWAYのフィッティング会場としてオフィスが使われたり、「Tech-InnovationNight」ではMarkeZineに取り上げられたり、いま話題のアドテク企業・フリークアウトさん。*1
Summer Jobのインターンの面接を受けるため、フリークアウトさんについて調べていたら東証マザーズに上場する*2とのことなので簡単にまとめました。
フリークアウトの皆様、上場おめでとうございます。
会社概要*3
会社名 | 株式会社フリークアウト |
---|---|
代表取締役 | 本田 謙 |
設立 | 2010 年 10 月1日 |
事業内容 | インターネット広告におけるリアルタイム広告枠取引を行うDSP 及びビッグデータを分析するDMPの提供 |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木6-3-1 |
社員数 | 100名 |
今年で創業4年目を迎える若い企業。
資本金から売上金・経常利益などお金については下記に記載。*4
資本金 | 4億5,037万8,400円 |
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売上金 | 21億6246万円 |
経常利益 | 2億5164万円 |
純利益 | 8675万円 |
売上高/経常利益が時系列推移しているわかりやすいグラフは、「インターネット界隈の事を調べるお」大柴さんの本格的アドテクノロジー企業FreakOut、マザーズに上場へ!|インターネット界隈の事を調べるおに掲載されています。
創業背景
代表取締役の本田さんの経歴が、すごく変わってる。
「一度も進路相談に来なかったのは君だけ」と、卒業時に教授に言われるような大学生活を送る。教授に見放されたその後の進路は、まずはミュージシャンを志すも、ロボットを作ったり、果ては生物化学の研究者として2001 年から米国勤務となる。帰国後は研究者の傍ら、独力でコンテンツマッチ広告配信システムを作り上げ、2005 年株式会社ブレイナーを創業、わずか2 年で同社をYahoo! Japanに売却。Y!J退職後は、エンジェル投資家として10 社近くのIT ベンチャーに出資。2010 年、広告業界では二度目の起業となるフリークアウトを設立。
http://fout.jp/company/management/;title
(リニューアル以前のHPより転載。)
先日参加した、SINGAPORE x OPEN COMPANY*5でもお話しされていましたが、様々なキャリアを経て創業されたからこそ、ここまで事業をスピーディにドライブさせられたそう。
将来を計算したキャリア志向的な生き方ではなく、つまらなくなったら新しく興味のある方向へ突っ込んで極めてみて、様々に経験を積んでみるというのもいいですね。*6
「海外ではどんどん新しい技術や仕組みが出てきて、ネット広告のありようも進歩していっていたのに、日本はいまだに“広告枠を売る”というオーソドックスなスタイルが主流で。自分が第一線でやっていた頃と状況が変わらなくて、やきもきしていました」
株式会社フリークアウト | かくして私は社長になった - 営業の転職@type
アメリカの金融工学者たちがリーマンショックを経てデジタル広告市場でRTBを開発したのを契機に、日本にRTBを広めようとCOO佐藤さんとともに始めたのがFreak Out。*7
こうしてフリークアウトさんが広めていったRTB市場は、先日出されたCAさん*8やユナイテッドさん*9の決算報告内での成長率を鑑みてもここ数年で爆発的に急成長していて、改めて驚くばかりです。
また、マイクロアドさんの1/31のプレスリリースにも記載されてる通り、今後ますますRTB市場の拡大が見込まれています。
(マイクロアド、RTB(Real Time Bidding)経由のディスプレイ広告市場規模予測を発表より)
事業内容
「RTBとかDSPとかよくわかんね」って方は、こちらの記事広告業界と無関係な僕がさっぱり理解できないアドテク用語を調べた。 | 三度の飯とエレクトロンにわかりやすく説明されています。
現状の業務として想定されるのは主に二つ。
①広告効果を最適化するマーケティング分析し、改善案を提案するコンサルティング
②DSP/DMPのインフラ~システム~フロントエンドの設計・開発およびデザイン
すべてのポジションで採用を強化していますが、Wantedlyを参照すると開発の中途採用を強化している模様。
そのため、②については、よほど開発経験豊富な学生じゃないと、新卒は厳しいのでは…?*10
ただ、エンジニアについても今回はSummer Jobを行う模様。
沿革
詳細は下記に。
2010年10月
創業
:[jp]国内でもリアルタイム入札が可能なディスプレイ広告のプラットフォームにFreakOutが参入 - TechCrunchによるとこの時期あたりから、いくつかのエンジェル投資家の方々による支援を受けていた模様。
2011年5月
資本金30,000,000円(参考:find-job 2011/5/22当時の求人クロールデータより。下記、魚拓より三つ目の検索結果参照。)
株式会社フリークアウト - DSPサービスのWebエンジニアの転職・求人情報(2011/05/20〜2011/06/02) | Find Job !(現在は掲載終了)
http://type.jp/job/company.do;jsessionid=6D7EFA4E62A5FA9B5B53354A953D27A8.userNode1?id=11081&viewMode=pc
:創業当初の資本金は不明だが、遡れる限り最古の情報は上記。
2012年2月
ベンチャーキャピタル2社より総額350,000,000円の第三者割当増資の実施。
[目的]スマホ向け製品強化、NY子会社への投資
:RTBの総本山であるアメリカ市場も早期から攻めている。今度はアドテクノロジーのFreakOutが3.5億円を調達 - TechCrunchによると、この時点で国内のDSP市場での成功を報じています。
2013年3月
YJキャピタル株式会社より約500,000,000円の第三者割当増資の実施。
[目的]Android/iOS上のRTBインフラ拡大に伴う採用強化、NY子会社への投資
昨年は投資先のフリークアウトさんが、僕の過去関わったすべての案件の中でも、もっとも速いスピードで成長した。B向け事業だから知名度は低いし、会社HPもちょっと、、ですが これもまた味ですね http://t.co/tyYtTkqn
— Taiga__ (@taiga__) January 3, 2012
この頃からすごいスピードで成長していたみたいです。
2014年6月24日
東証マザーズ上場予定
筆頭株主は創業者の本田謙氏(55.35%)。次いで、海老根智仁氏(7.43%)、アントレプレナー投資事業組合(6.61%)、ジャフコ・スーパーV3(5.70%)、YJ1号(4.71%)、佐藤裕介氏(4.21%)、GMO VenturePartners(2.85%)、横山隆治氏(2.48%)、衛藤バタラ氏(1.65%)、川田尚吾氏(1.65%)、GMO VenturePartners 3と続く。
DSP事業のフリークアウト、マザース上場へ (VentureNow) - Yahoo!ニュース BUSINESS
以前、インターン説明会でIPOに関するご質問をさせていただいたときにCOO佐藤さんが仰っていた通り、経営陣のお三方(CEO本田さん・COO佐藤さん・CFO横山さん)が半数以上株を持つような構造になっています。*11
なお、謎の合弁会社 M.T.Burn株式会社は、現在水面下で動き出しているとのこと。
Marketing Technology Companyとして、Intimate Mergerやpolpnとともに複合的なデジタルマーケティングソリューションを提供していくみたいでワクワクします。
まとめ
CAさん、ユナイテッドさんの業績を見てもDSP/RTBなどのディスプレイ広告市場の躍進を見ることができ、実際に梅木雄平さんの東洋経済の連載アドテクの超新星は、どこまで成長できるか? | スタートアップのビジネスモデル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト内の梅木さんの分析でIPOも示唆されていたので、もしやくらいには思っていました。
ただ、流石にインターンの面接を受けてから1時間後にDSP事業のフリークアウト、マザース上場へ :ベンチャーニュース:Venture Now(ベンチャーナウ)よりマザーズ上場が発表されて、タイムリーすぎて驚き。
今後は、海外市場への更なる攻めなど様々な動向が考えられますが、引き続き選考を受けながら、リサーチして追記していければなと思います。
本当に、上場おめでとうございます。
フリークアウト上場関連の記事
*1:Tokyo Run Wayについて:FreakOut × ◯◯ - Communicator
Tech-InnovationNightについて:海外勢に日本も負けられない!最先端マーケテクノロジー企業5社が集った「Tech-InnovationNight」潜入レポート (1/3):MarkeZine(マーケジン)
*2:上場については
フリークアウトが東証マザーズに上場へ - THE BRIDGE
DSP事業のフリークアウト、マザース上場へ :ベンチャーニュース:Venture Now(ベンチャーナウ)
を参照。
*3:東証 : 新規上場会社内、有価証券報告書より
*4:各数値はhttp://www.tse.or.jp/listing/new/b7gje6000004kcuy-att/6FreakOut-1s.pdfより、2014年3月末現在のデータ(p52)を参照。
*5:https://www.wantedly.com/campaign/singapore_open_company
*6:以前のFreakOutさんで行われた、COO佐藤さんとAppReSearch Inc. CEO上野山さんがそうしたキャリア志向的な生き方は変化の激しい現代にはマッチしないと話されていたので、変化の激しいITベンチャーの第一線の方々はもしかしたらこういう考え方が多いのかも。
*7:INTERVIEW この10人のイマジネーションが、日本に変革をもたらす:VOL.8_佐藤裕介 « WIRED.jp
*8:http://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/YWWN/TPTc/XPzH.pdf p13-17
*9:http://united.jp/wp-content/uploads/2014/05/0507_consolidated_financial_results_2014_4q_jpn1.pdf p12
*10:インターンしていた時代の雰囲気から、なんとなくフロントエンド開発メインの学生が多い気がする。知らないだけかも。
*11:GoogleのGoogle共同創業者、株式分割について説明――「大規模買収はしない」 - ITmedia ニュースにもあるように、"外部からの圧力に負けずに長期的な投資を続けるために、創業者が支配権を維持することが株主とユーザーにとっても最良だと判断"しているためそうした構造になっているのではないでしょうか。